公営・公団などの住宅建設事業が、これまで単に住宅の戸数を充足するにとどまらず、新開発・再開発事業を通じて、戦前にはみられなかった新しいタイプの市街地をつくり出した成果は大きいでしょう。
とくに日本住宅公団が発足してからは、住宅団地開発は著しく進展し、わが国の都市にはじめて公共公益施設の整った耐火構造の住宅から成るかなり質の高い居住環境が出現することになりました。
しかし、地価の高騰と用地の取得難から、立地の遠隔化と大規模化は並行して進みました。
最近は、公営住宅の建設は下火となり、日本住宅公団の開発も遠・高・狭などと不評を買うようになったことははなはだ残念です。
住宅地区改良事業は、きわめて小規模で地味な事業です。
しかし、先進諸国における今日の住宅地区の再開発は、もとはスラム・クリアランスから発展したものであることを思えば、この方式はいわば本流だといえます。
住環境整備モデル事業の発想にみられるように、これを一般市街地の修復に拡大することはきわめて有効であると考えられます。
住宅金融公庫による融資は、これまで都市の居住環境の整備とあまり関係なく行なわれてきたきらいがあります。
しかし、住宅戸数が世帯数を上まわるようになった今日では、住宅の質の確保だけでなく、都市基盤整備の諸施策とタイアップして優良な市街地のストックを形成する方向に融資の重点を移す必要があるのです。