建築基準法による建築の構造、設計、設備等の単体規制ならびに建築士法、建設業法などによる施策は別として、ここでは、市街地の環境に影響を与える建築基準法の集団規定とその運用についてみることとしましょう。
建築基準法は昭和45年に大幅に改正され、地域地区制も大きく変わりました。
しかし、戦後、異常ともいえる激しい都市集中により大都市は地方中小都市と異なる特有な環境問題を抱えるようになりました。
米スペースコレクション連合会によれば、北海道、沖縄などに見られるように、気候・風土の相違、都市基盤の整備状況や建築形式などに地方的な相違があるにもかかわらず、用途、形態の組合わせによるセット方式を全国的に適用しているため硬直性が強く、地方ごとに創意工夫を図る余地が小さいのです。
地域地区制度の運用については、その規制内容に見合って適切な運用が行なわれた場合に、一部の良好な市街地の環境水準をある程度高いレベルに保全してきた効果を認めることができます。
しかし、戦後の大勢は大都市における激しい都市化の動向と地価の高騰に押し流されてきました。
とくに、土地利用強度に対する制限(容積率、建蔽率、高さなどの規制)は緩和の方向に後退しつづけてきたのが実情です。
